新型コロナウィルス感染拡大の影響を受け、感染リスクを軽減するため、ソーシャル・ディスタンスを保つ必要や、対面接客での感染懸念から以前のような接客などの販売活動を行うことが難しくなってしまいました。
お客様との接触の機会が減ってしまうと、それだけお客様との交流機会が減少してしまいます。
顧客のニーズに合った購入体験や接客などを提供できないサービスでは、コロナ禍以前の顧客満足度(CS)の維持が難しくなり、リピート率の低下、口コミでの来店人数の減少に繋がってしまいます。
直接的な交流が難しくなってしまった今、CSを向上するため何らかのかたちでお客様との交流を深めていく工夫が必要となっています。
ネットショッピングがスタンダードに
コロナ禍により小売店や飲食店への来店ハードルが上がった結果、実店舗での買い物は控えてネットショッピングで代用しようという世帯が増えてきており、総務省が毎月行っている「家計消費状況調査」では、ネットショッピング利用世帯の割合が以前の2019年10月から半年で約8%も上昇。
それに伴い支出額も2019年10月から1年で平均5000円上昇と大幅に増加しています。
ユーザーの利用が増えサービスの向上も求められる今、差別化としてオンライン接客(Web接客)に力を入れる企業が増えています。
参照元:総務省「家計消費状況調査 https://www.stat.go.jp/data/joukyou/pdf/n_joukyo.pdf
WEB接客とは?
WEB接客とはサイトに訪れたユーザーに、店舗と同じような接客を行うことを指します。
実店舗では販売員が顧客の様子を見守り、ヒアリングしたりおすすめ商品を紹介する等することで購入のサポートを行いますが、オンラインでは販売員がお客様の様子を確認することはできません。
しかし、Web接客ツールは、オンラインでもユーザーの行動を分析して1人ひとりに対して最適な接客を実現します。
接客ツールとしてのチャットボット
近年のチャットボットは単にユーザーの質問に対応する機能だけでなく、各ユーザーの嗜好に合わせたコーディネートの提案などを行うチャットボットが登場してきています。
たとえば、Facebook は、ユーザーにショッピング ガイドを提供するために、モバイル製品のレコメンデーションのテストを続けています。
Web を閲覧して何十ものページをふるいにかける代わりに、チャットボットは顧客にいくつかの質問をして、顧客の好みを学習し、ユーザーの好みやニーズに応じて製品を推奨します。
Burberryは、Messenger で本格的なチャットボットを立ち上げたラグジュアリー リテールのパイオニアです。
Burberry のチャットボットは、最新のバッグ コレクションを紹介したり、ユーザーが「Discover More」オプションを選択すると、チャットボットでバッグのカラー パレットを閲覧したり、職人技について詳しく調べたり、Burberry のアパレルやアクセサリーでバッグをスタイリングする方法を調べたりすることができます。
チャットボットが利用しやすい点は、業界に隔たりなく活用できることです。
例えば、
嗜好を入力する、または選択することで服装コーディネートを提案する
画像認識を活用してヘアカラーや化粧品など似合う色を提案する
条件をヒアリングして最適なマンションなどの不動産を提案する
など、アイデア次第で無限の可能性を秘めています。
そのため、ファッションブランドのTommy HilfigerやUNIQLOやH&M などのアパレル業界、不動産業界、飲食業、クロネコヤマトなどの運送業に至るまで、さまざまな企業や自治体が取り入れています。
※出典:Burberry (Messenger)最新コレクションやバッグをお勧めしてくれる
※出典:叡智trip https://demo.eichiii.com/office/demo/ 優秀なAIチャットボット「エイチくん」が訪問先と日程だけ伝えれば出張手配をしてくれる
キャラクターを活用して親近感UP
チャットボットにはシナリオが大切ということは以前にもお話ししましたが、シンプルにチャットボットに個性を与えるだけで、ユーザーに好感や親近感を持たせることも可能です。
自社データの収集でサービス改善
さらに注目すべき点は、チャットボットを活用して顧客情報を蓄積できる点です。
自社で収集する顧客の情報はとても重要で信頼がおけるものといえます。
会話のデータを収集することで、ユーザーがどこで離脱してしまったのか、どの情報が足りずに対応できなかったのか、本当はユーザーは何を求めていたのか、ボットの会話履歴にはサービス改善のヒントが詰まっています。この情報を活用すれば、サービスの向上につながります。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
FAQや問い合わせの工数削減にばかり目が行きがちなチャットボットですが、ユーザーごとのシナリオの出し分けや情報収集により、顧客に必要な商品やサービスを提案することが可能です。
受け身ではなく、積極的に必要な情報を発信しながらユーザーをサポートが可能な点など、有能なツールです。24時間接客可能なWEB接客の可能性は今後さらに広がっていきそうです。
<参照>
※ContactEARTH for Expert https://dx-consultant.co.jp/chatbot-case-study/#i-3
叡智trip https://demo.eichiii.com/office/demo/
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