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チャットボットメンテナンス初級編



チャットボットの運用メンテナンスは、ユーザーに必要とされるチャットボットを作り上げるための重要な要素です。

チャットボットをすべて自動化できるわけではないため、導入や運用は簡単ではありませんが、有効に活用できれば社員のストレス軽減や生産性の向上、残業時間の削減などにつなげることができます。以前もメンテナンスについては書いていますが、今回はもっと初歩的な導入部分をご紹介できればと思います。


メンテナンス工程

チャットボットのタイプや仕様によるため、全てに当てはまるわけではありませんが、一般的には以下の流れで行われます。

  1. ログデータの取得

  2. ログ分析

  3. Q&Aの確認

  4. シナリオや辞書、学習データの修正

  5. チャットボットへの反映

基本的に、各ベンダーのチャットボットには『レポート機能』が備わっています。

チャットボットの回答精度を向上させるためには、利用データをもとに十分なチューニング・メンテナンスを実施することが必要不可欠です。

そのため、

  • 設置ページのPV,UU

  • チャットボットの接触数,UU

  • CV達成率

  • 複数に設置している場合は、どこからの流入が多いのか

  • 離脱点

  • フィードバック

  • FAQのカバー率

  • どの質問が多く表示され、逆に少ないのは何か

項目は各ベンダー、ツールによって異なるため項目数は明確には言えませんが、ある程度数字で確認できるようになっています。


この数字を、表計算ソフトに入力して集計したり、サマリを出したりと数字管理はしっかり行い、フィードバックが悪いものに対しては回答の変更もしているのに、どうも満足度が上がらなかったり、問い合わせが減らない…


そういったお悩みもまだまだ多い状態です。

そういった際に、少し見てみていただきたいのが、フィードバックがある場合、その評価に至った理由です。


「BAD」、もしくは「いいえ」の回答に至った直前のログだけを確認していませんか?

チャットボットの場合、フィードバックがあるのは10~20%前後。

その他のユーザーは何も答えずに離脱しているのです。

もし、「BAD」「いいえ」の回答をいただけたら、これは大きなチャンスです。

なるべく掘り下げて、その評価になった理由を突き止めてみましょう。


実際に、私たちがご依頼を受けて確認すると、ユーザーの「最初に聞きたかったこと」と「BAD」を付けたQAのインテントでは異なることが多々あります。

本当に知りたかったことに辿り着けず、結局最後に見たインテントに「BAD」を付けてしまうパターンや、選択肢の時点で知りたい情報がなくQAまで進まずに離脱するなど、確認してみると「なるほど」と感じるような情報があったりします。


また、自社のリソースで回答精度向上に尽力しているにも関わらず結果が得られない場合は、外部の力を借りるのが現実的な解決策となります。


ベンダーのサポートを徹底的に活用するか、サポート体制・サポート品質が不十分である場合は運用代行やコンサルティングなど、別のサービスも有用です。


中には、チャットボットを導入したものの、効果が出ているのかが分からないといった理由で運用を停止してしまう企業もあります。

効果が出ていないと判断した場合、そもそも導入した理由を忘れて「うちでは必要なかった」と結論づけてしまいがちです。


しかし、チャットボットの導入によるメリットを考えると、単に費用対効果が低いだけで導入を見送ることは賢明とは言えません。


チャットボットを導入することによって得られる効果はさまざまであり、自社にとって最適な判断を下すためにもKPIやKGIはしっかりと把握しておくことが求められています。


今回は、AIを活用したチャットボットの概要とその効果、そして導入する際の注意点などについて解説しました。以前の記事で学習データのメンテンスはどういった手順で行うのか、詳細をお伝えしておりますのでぜひご覧ください。

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